医療業務の効率化を図るPHSを利用したナースコールシステム

   

現在人の生命を預かる医療施設において医師や看護師の業務の効率化を図ることは重要な課題となっています。その効率化の実現策としてのひとつがPHSを利用したナースコールのシステムです。
従来の医療現場では、数人のスタッフがナースステーションに常駐しナースコールを受け対応するという固定的な人員配置を必要としていました。しかしこの場合、ナースステーションに必ず人員を配置する必要があること、また呼び出しのあった病室の近くに対応可能な医師や看護師がいたとしても、わざわざナースステーションからスタッフがその病室に赴いて対応するという非効率な状況を生み出していました。さらに広い病棟エリアでは他のスタッフとの連携も速やかに行えない現状があります。そんな問題を解消しスタッフが的確な処置やケアを行う為、または生命に関わる1分1秒を争うような緊急時にスタッフ同士の連携を高め迅速に対応をする為の新たなシステムがPHSを利用したシステムなのです。

無駄のない的確な人員配置の実現

従来型のナースコールのシステムでは数人の看護師がナースステーションに駐在し、コールを受けたら現場に赴くというスタイルでの業務を行っておりました。しかし患者さんからの呼び出しは常にあるものではなく、その間ずっと複数の看護師がナースステーションにいなければならないという状況では、ナースステーション外での業務を行えないなどの業務の効率を悪くするような人員配置を余儀なくされていました。
新しいシステムは、親機の端末をナースステーションに設置し、子機にあたるPHSを各スタッフに携帯させるという新しいタイプのシステムです。このPHSを携帯することにより、スタッフはそれぞれの場所で業務にあたりながらも、的確に呼び出しを受け、速やかに患者さんのケアに向かうことができるという効率的な人員の配置を実現することができるのです。

スタッフ同士の素早く的確な連携の実現

また、このPHSはスタッフ間の連携も速やかにスムーズに行うことを可能とします。従来、緊急時の医師の呼び出しなどの場面においても携帯電話などの外部の連絡手段を使用し、急を要するような現場で無駄な時間を費やしていました。医療現場では1分1秒生死の分かれ目になるケースも多く、またスタッフ同士の連絡の時間的ロスは現地で患者さんを長時間待たせてしまうという事態も発生させています。
PHSを使用したこのシステムでは、それぞれのスタッフが携帯しているPHSが1つの親機に連動した子機になっている為、1つのグループとして複数のコールや緊急時の連絡にも速やかに対応できます。無駄な呼び出し時の手間を省き、対処すべき状況に適した医師、またはスタッフへの速やかな連絡を実現するのです。

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